地理的表示保護制度と類似した制度として商標法による地域団体商標制度があります。両制度の違いにつきましては主に以下のことがあげられます。
①地理的表示保護制度では、明細書に特定農林水産物等の生産地や生産方法、特性等の生産基準や品質基準 が定められており、前記基準への適合性が国によりチェックされる。これに対し、地域団体商標制度では、そのよう な基準を定めることは必須ではないため、権利者による自主管理に委ねられます。
②地理的表示保護制度では、フリーライドや模倣品(地理的表示の不正使用)について国が取り締まり、違反した者 に対しては刑事罰が科せられます。これに対し地域団体商標制度では、権利者自身が侵害者に対し対処しなけれ ばなりません。
③地理的表示保護制度では、基準に適合する商品については誰でも(地域の生産者全体)表示を使用できます。これに対し地域団体商標制度では、権利者である組合及びその構成員のみが商標を使用することができます。 |